概   要

   
 1  この会は
 

○ 1958(昭和33)年、当時の広島市内の小・中学校の中ではごく少数(天満小、比治山小、舟入小、宇品小、大芝小、庚午中、段原中、宇品中、江波中)の障害児学級の保護者たちが、市教委の指導助言や担任の実務的な協力を得て、手をつなぐ会結成の準備を進め、同年7月、天満小学校に集い「広島市精神薄弱児手をつなぐ親の会」(略称「広島市手をつなぐ親の会」)を結成しました。

   

○ この会は結成後間もなく、「精神薄弱児の真の幸せのためには、幅広い市民による育成団体が生まれることが最も望まれるところである。」と訴えました。
 この訴えに応じて、市民有志が、連帯理念のもとに精神薄弱児者たちの教育と福祉のために協力しようということで1959(昭和34)年10月24日中国新聞社のホールに集まり、「広島市精神薄弱児育成会」を結成したのが始まりです。1980(昭和55)年8月8日に社会福祉法人として厚生大臣より認可されて「広島市精神薄弱者育成会」として発足しました。

   

○ 1995年に「精神薄弱」という差別を感じる言葉を改めてほしいという本人たちの強い要望により「知的障害」に改称されました。

   

○ 1996(平成8)年3月29日に社会福祉法人「広島市手をつなぐ育成会」と会名変更の許可を広島県知事から受けました。

   
 2  会の願い
   
 

 障害者基本法第5条では「国民は、社会連帯の理念に基づき、障害者の福祉増進に協力するように努めなければならない。」と規定しています。本会は、この条文の精神どおり市民としてお互いが連帯感をもって知的障害の人々の福祉増進に少しでも役立とうという心を寄せ合わせて、関係官庁および関係機関と連絡提携を密にして事業を進めることを願っています。

   
 3  会の願いの実現をめざして
   
  (1) 国の施策の基本と育成会の役割
   
 

 1993(平成5)年3月、国は「障害者対策に関する新長期計画ー全員参加の社会づくりをめざして」を策定し、発表しました。
 この「新計画」において、次のような「基本的考え方」を示しています。「基本的人権をもつ一人の人間として、障害者自身が主体性、自主性を確保し、社会活動へ積極的に参加していくことを期待するとともに、その能力が十分発揮できるような施策の推進に努める」「障害者が住みよい、障害者のための社会をつくっていくことは、全ての人が住みよい、全ての人のための社会をつくっていくことにほかならない」広島市手をつなぐ育成会は、この基本的考え方を尊重し、可能な限り自らの努力によって活動を展開していきますが、国がこうした理念に立った施策の実現とその効果の点検を確実に行っていくために、親の立場からその運動を積極的に進めていきます。

   
  (2) 事業計画推進の基本方針
 

① 障害者を取り巻く社会環境は、多くのさまざまな障壁があります。ここ数年、ノーマライゼーションの理念のもとに福祉のあり方が模索されてきていますが、普通の暮らしを望む動きは年々大きくなっています。地域で暮らすという大きな流れに積極的に関わるとともに、誰でも基本的人権を有することは自明の理であるという理念に立って、社会環境の障壁である偏見・差別をなくする運動の促進を図ります。

   

② 障害者本人が登場する場がようやく開かれた状況に合わせ、障害者の主体性の確立を図り、全ての面に本人の参画、参加ができる体制づくりを進めます。

   

③ より暮らしやすい地域生活をするために、諸施策や仕組みの見直しを図り、地域的な支えや地域生活援助のより一層の拡大を図ります。

   

④ 組織の強化を図り、会員の拡大策を進めて財政の安定を図ります。

   
 基本主題
   
 
  • ・ 個人の尊厳にふさわしい対応
  ・ 完全参加と平等
  ・ 人権擁護と本人意思の尊重
  ・ 暮らしやすい地域社会の実現
   
 4  事   業
   
  第1種社会福祉事業 
   
  知的障害者支援施設の経営
 
   
  第2種社会福祉事業
   
  障害者福祉サービス事業の経営
  相談支援事業の経営
  地域活動支援センターの経営
   
   
 
  公益を目的とした事業 
      
   

知的障害児教育諸活動への援助
福祉施設の諸活動への援助
知的障害児・者の相談活動
社会啓発活動
知的障害児青年学級の育成援助
知的障害子供会行事の育成
清掃受託事業
就労促進活動
障害児教育研究団体との提携と支援調査と研究
各区別の福祉活動の推進
要望陳情活動
その他必要な事業